【THE 事例集】製造業×ブロックチェーン – 大手電機メーカー編 part.1

【THE 事例集】製造業×ブロックチェーン – 大手電機メーカー編 part.1
【THE 事例集】製造業×ブロックチェーン – 大手電機メーカー編

はじめに

BaaS info!! では、 さまざまな業界における活用事例を紹介しています 。今回は製造業×ブロックチェーンの一つとして、国内大手電機メーカーの事例をとりあげます。なおpart.2では海外の事例をとりあげる予定です。

大手電機メーカーの多くは何らかの形でブロックチェーンに関わっていますが、その内容は多岐にわたります。

また製造業×ブロックチェーンの活用事例については下記のカオスマップにまとまっていますので、こちらも参考にしてください。

国内大手電機メーカー ×ブロックチェーン

日立

日立製作所(以下、日立)は、ブロックチェーン基盤の開発・標準化や機能強化に取り組み、社会インフラとしてのユースケース検討も行っています。日立はHyperledgerの設立当初からプレミアメンバーとして参加しており、Hyperledger Fabricの開発・整備においてグローバルで第2位の貢献をしています。

なお、この次にご紹介する富士通とNECもHyperledgerのプレミアメンバーです。

日立はブロックチェーンに関する取り組みを公式HPにまとめていますが、ここではその実績の一つをご紹介します。(公式ニュースリリース

2019年3月、ブロックチェーンを活用した安定性の高い取引を支援する「Hitachi Blockchain Service for Hyperledger Fabric」を販売開始しました。これは、Hyperledger Fabricの利用環境をマネージド型クラウドサービスとして提供するものです。特長としては、日立が培ってきた技術により高信頼性やセキュリティ性を強化していること、ビジネス実現をトータルに支援することが挙げられます。

富士通

富士通の取り組みは多岐にわたります。データ流通、ポイント/地域通貨、電力トレード、送金/証券取引、文書改ざん防止など、幅広い領域で活用をリードしているのが特徴と言えるでしょう。詳細は公式HPをご覧ください。

ここではそのうちの一つ、データ流通に関する事例をご紹介します。(公式プレスリリース

2019年10月、富士通とJCBは、デジタルアイデンティティー領域における共同研究を開始しました。近年は、ID情報を事業者間で連携・相互運用するニーズが高まっている一方で、信用性とプライバシー確保の課題があります。両社は、ID情報をユーザー自身のコントロールの下でセキュアに連携可能にするプラットフォームの共同開発、およびビジネスモデルの検討を行っていきます。

NEC

NECの大きな功績は、2018年2月、200ノード程度の大規模接続環境下で毎秒10万件以上の記録性能を達成するという、世界最速のブロックチェーン向け合意形成アルゴリズムを開発したことです。(公式プレスリリース

ビットコインのブロックチェーンでは毎秒7件が限界であり、ビジネス向けの許可型ブロックチェーンにおいても、参加ノード数が数十ノードを超えると性能が極端に悪化します。そのような中でこの性能を実現したのは革新的です。世界規模のクレジットカード取引システムに必要とされる毎秒数万件を上回っており、ビジネス用途での本格的な活用が見込まれます。
同時に、高い安全性も実現、そしてIoTデバイスからの高速参照も可能にしました。

他にも共同研究・共同開発として、次のようなものがあります。

  • 2020年1月、ブロックチェーン技術を活用した超高速次世代型ハイブリッドデータベース「SmokeDB」をアーリーワークスと共同研究開始。
  • 2019年8月、IDB Lab・ビットコインアルゼンチンとともに、ブロックチェーン技術を活用したデジタルIDの開発プロジェクトに関する覚書を締結。

ソニー

ソニーは、AI×ブロックチェーンに注目していることを公式HPで明らかにしています。エレクトロニクスのみならず、映画、音楽、ゲーム、金融といった様々な事業を通じて保有している多くのデータをブロックチェーン技術によって組み合わせることで、新たな価値が生まれる可能性があります。

2018年10月には、ソニー、ソニー・ミュージックエンタテインメント、ソニー・グローバルエデュケーションが、ブロックチェーン基盤を活用したデジタルコンテンツの権利情報処理システムを開発しました。(公式ニュースリリース)このシステムによって、電子データの生成日時と生成者の共有・証明が可能となります。また、従来困難であった著作物の権利証明を自動的に実現することも可能です。教育や音楽、映画など、多様なデジタルコンテンツの権利情報処理に活用が検討されています。

他にも、教育分野では、ブロックチェーン技術により個人の成績データが自分で扱えるようになることで学習サイクル改善を可能にするといった取り組みがあります。公式HPには幅広い取り組みがまとめられています。

また音楽分野では、soundmainというサービスが発表され、ブロックチェーン技術による権利情報の細分化管理などに取り組んでいます。

 

パナソニック

2019年5月、パナソニックは2021年度にも食肉衛生管理システムを中国で発売すると発表されました。センシング技術で家畜の感染症を事前検知し、低温技術やIoTを組み合わせながら、ブロックチェーン技術でトレーサビリティを実現します。中国で大きな問題となっている豚などの家畜感染症に対して、ソリューションを提供します。

主力の家電事業で苦戦を強いられているパナソニックは、機器単体からコールドチェーンなどのシステムへと事業領域を広げている模様です。

<参考>パナソニックがIoT活用で家畜集団感染防ぐ

三菱電機、安川電機など

2019年6月、三菱電機、安川電機など国内の主要メーカー100社が連携し、ブロックチェーン技術を応用して製造データを相互取引できるシステムをつくると報じられました。2020年春に稼働予定とのことです。

従来、製造業では秘密保持の理由からデータの共有はほとんど行われていませんでしたが、新たな取引システムでは、製品設計データ・設備稼働データ・品質検査データなどを共有することで、開発・生産を効率化するねらいです。なお、データの開示範囲や提供先は企業が自由に設定できるようにするとのことです。

主導者は、IoTを推進する団体であるインダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(IVI)です。この事業は「製造プラットフォームオープン連携事業」として、経済産業省から産業データ共有促進事業費(平成29年度補正予算)補助金を受けていました。

<参考>製造プラットフォームオープン連携事業

さいごに

以上、 国内大手電機メーカーの事例をとりあげました。それぞれの企業が独自の方法でブロックチェーンに関わっており、ますますユニークな取り組みがなされていくでしょう。 part.2では海外電機メーカーの事例をとりあげる予定です。

製造業におけるブロックチェーン活用方法とは?

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