【THE 事例集】製造業×ブロックチェーン – 大手電機メーカー編 part.2

【THE 事例集】製造業×ブロックチェーン – 大手電機メーカー編 part.2

はじめに

BaaS info!! では、 さまざまな業界における活用事例を紹介しています 。今回は製造業×ブロックチェーンの一つとして、海外の大手電機メーカーの事例をとりあげます。中国や韓国を中心とした勢いのある電機メーカーは、ブロックチェーンの活用に積極的です。

なお、part.1では国内の大手電機メーカーの事例を紹介しています。こちらもあわせてご覧ください。

海外大手電機メーカー ×ブロックチェーン

サムスン

韓国のサムスン(Samsung)は積極的にブロックチェーンを活用しており、Samsung Blockchain SDKs(ソフトウェア開発キット)を提供しています。(公式HP


ここではDApp開発者向けのSDKの他、独自のKeystore(キーストア)機能が注目されます。
このキーストア機能は、秘密鍵をサムスン独自の「KNOX」に隔離し、サムスン内外のクラウドやデバイスのOSには保存しないという特徴があります。これにより、高レベルのセキュリティを実現しています。キーストアでは、ビットコイン、イーサリアム、トロンなどをサポートしています。

2019年に発売されたサムスンのスマートフォン「Galaxy S10」はこのキーストアを搭載しており、ブロックチェーンサービスの活性化が期待されました。

<参考>Galaxy S10に「キーストア」を搭載した理由は? ブロックチェーンの強力な後ろ盾に

LG

同じく韓国の大手LGもサムスンに対抗すべく、ブロックチェーン対応スマートフォンを販売する可能性があると2019年9月に報じられました。
同年7月には、米国特許商標庁(USPTO) に「ThinQ Wallet」という独自のウォレットの商標を申請していたようです。

LGはまた、独自に開発したブロックチェーンである「モナチェーン」にも取り組んでいます。2019年7月には、LGの子会社LG CNSがIT企業SayITと提携し、学校給食のサプライチェーントレースにモナチェーン基盤のシステムを導入すると報じられました。

<参考>LG May Launch Its Own Blockchain Phone
<参考>LG Applies for ‘ThinQ Wallet’ Crypto Wallet Trademark in the US

鴻海

台湾の鴻海(ホンハイ、 Foxconn)もブロックチェーンスマホの開発に取り組んでいます。

2018年4月、鴻海とシリンラボが「フィニー(FINNEY)」と呼ばれるブロックチェーンスマホを共同開発すると報じられました。
フィニーは2018年11月に発売されました。競合のブロックチェーンスマホとの大きな違いとして、コールドストレージウォレットを内蔵していることが強調されました。もしスマホ本体がハッキングされても、ウォレットは別のOSで動いているためセキュリティが確保されています。(公式HP

<参考>鴻海がブロックチェーンスマホを製造へ、シリン・ラボが発表

HTC

同じく、台湾のHTCによるブロックチェーンスマホを紹介します。

2019年10月には、3万円を切る価格で、ビットコインのフルノード運用も可能な「エクソダス(Exodus)1s」を世に出しました。同年11月には、大手仮想通貨取引所バイナンス(Binance)に直接アクセスができるという「エクソダス1 バイナンス版」の発売を発表しました。

<参考>HTC Will Support Binance Chain With Special Edition Smartphone

以上の例のように、 ブロックチェーンスマホの開発が盛んになっているところです。

Xiaomi

中国の電機メーカーでもブロックチェーンの活用が進んでいます。
XiaomiはAzureによるブロックチェーンを活用し、サプライチェーン・ファイナンスに取り組みました。これについては以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

ハイアール

中国のハイアール(Haier)の取り組みをご紹介します。
2019年4月、ハイアール、VeChain、DNV GLの三者が提携し、ハイアールIoC(Internet of Clothing)プラットフォームにブロックチェーンベースの衣類トレーサビリティソリューションを統合しました。

服についているQRコードをスキャンすることで、消費者はその製品に関するブランドやデザイン、製造工程、原材料、保管場所といった詳細情報を入手することが可能となります。

<参考>Blockchain Platform Vechain partners with Haier to boost transparency in the Supply Chain

美的集団

同じく中国の大手である美的集団(Midea)の、家電メーカーならではの取り組みをご紹介します。
2017年、家電でビットコインをマイニングする仕組みをつくり特許を取得しようとしていると報じられました。エアコンや除湿器、TVなどの家電にマイニングチップを埋め込み、バックグラウンドでハッシュパワーを提供する仕組みです。家電の機能には影響を及ぼさないようで、家電の付加価値と所有者の収入向上につながります。

なお、このアイデアじたいは美的集団が中国初というわけではないようです。大手が着手したことでどう実現されていくのか期待されるところです。

<参考>Manufacturing Giant Midea Wants to Put Bitcoin Miners in Household Appliances

ファーウェイ

これも中国の大手、ファーウェイ(Huawei)をとりあげます。ファーウェイは独自のクラウド「HUAWEI CLOUD」を用いて、ブロックチェーンアプリ開発を容易にするためのクラウドで提供するサービス(本サイトではBaaSと呼んでいます)を展開しています。(公式HP

これは2018年11月にリリースされました。Hyperledger Fabricに対応しており、サプライチェーンファイナンス、サプライチェーントレース、デジタル資産、クラウドファンディングの公証といった用途を視野に入れているようです。

フィリップス

ヘルスケア・医療関連機器を中心とするオランダの電機メーカー、フィリップス(Philips)をとりあげます。

2015年にはTierionと提携し、患者のデータを保護する目的でビットコインブロックチェーンの研究を行っていました。そして2016年、アムステルダムにブロックチェーン・ラボを設立し、ヘルスケア領域の適用を目指しています。

通常、患者のデータは病院が一元管理しており、これがハッキングのリスクを高めています。この問題に対し、ブロックチェーンを用いることでセキュリティとプライバシーを確保できる可能性があります。すべての患者が、分散型台帳に記録されたデータにアクセスするための秘密鍵とマルチシグアドレスを持つようにします。この仕組みによって、病院のデータ管理コストを削減できるうえ、患者がデータの提供先を選ぶことができるようになります。

<参考>Philips’ Healthcare Division Launches Blockchain Research Lab in Amsterdam

さいごに

以上、 「製造業×ブロックチェーン」として、part.1の国内編に引きつづきpart.2で海外の大手電機メーカーの事例をまとめました。
特に、中国や韓国は事例が豊富です。企業ごとの強みを生かしたユニークな取り組みやブロックチェーンスマホの競争は今後も注目されるところです。

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