【特別インタビュー:前編】ZEROBILLBANK CEO 堀口 純一 氏

【特別インタビュー:前編】ZEROBILLBANK CEO 堀口 純一 氏

ブロックチェーン業界で活躍するプレイヤーにスポットライトを当てる特別インタビューシリーズ、第3弾は ZEROBILLBANK CEO 堀口純一 氏!

前編・後編の2部構成でお届けいたします。
まずは、インタビュー前編から!

※ 本記事の最後に後編へのリンクがございます。

ZEROBILLBANK(ゼロビルバンク)とはどんな企業か

ブロックチェーンとスマートコントラクトを「API」として利用できるプラットフォーム「ZBB CORE API」を提供。「0円札の発行(ZERO BILL BANK)」のように、今まで見えなかった価値を可視化し、ブロックチェーンによって新しいエコシステムを目指している会社です。今回は、CEOの堀口純一氏にお話を伺いました。
  

インタビュー:前編

ブロックチェーンとの関わりについて

  
2015年にイスラエルで起業してから現在に至るまで、ZBB COREなど様々なプロジェクトに関わってきたかと思います。ブロックチェーンに注目したきっかけは何でしょうか?
  

実は「暗号」が趣味でして(笑)

テクノロジーは戦争などと共に進化してきた背景がありますが、一体何がキーになるのかなと考えたときに「暗号」だと感じ、新しい情報を追いかけていました。そんな中ビットコインの論文に出会ったのがきっかけです。マネーやデジタルアセットだけでなく、ビジネススキームを大きく変える技術で、これはインターネットの再来だと感じました。

そしてブロックチェーンを追いかけ、行きついたのがイスラエルでした。当時、セカンドレイヤーの主要なプレイヤーとして、カウンターパーティ(Counterparty)、カラードコイン(Colored Coins)、オムニ(Omni , 旧Mastercoin)がありましたが、うち2つがイスラエル発だったので、これは行くしかないなと。

ちょうど最初の株主になるサムライインキュベートさまが主催されていた以下URLにあるような創業支援プログラムもあり、海外赴任先であったシンガポールから、このプログラムに応募したところ、何のご縁か合格の連絡をいただき、イスラエルでの創業という道が開けました。

<参考>
イスラエル経由世界行き-日本の起業家を募集開始、サムライインキュベート榊原氏が現地移住でベンチャー支援

ちょっと変わった名前の社名の由来ですが、「ゼロ円札を発行する(ZEROBILL、ゼロビル)銀行」という意味から、今まで見えなかった価値を見えるようにしたいという思いを込めています。

  
当時と比べて、ブロックチェーンの認識は変わってきましたか?
  

変わってきました。当時は、ビットコイン中心で、2012年はパブリックしかなかった。今では、エンタープライズ領域におけるコンソーシアムという選択肢に移ってきたように感じています。

もともとBtoBをやっていたのもあって、コンソーシアムでやったほうがイノベーションを起こせると考え、現在はそちらに注力しています。

  

 
ブロックチェーンをビジネス適用する場合、単独ではなく他のテクノロジー(5G,IoT,AIなど)の組み合わせを考える必要があると思います。そういった中でブロックチェーンの真価(メリット)はどういったところにあるとお考えでしょうか?
 

他であまり言われてない言い方をすると「組み合わせから新しい価値が作れる基盤」と考えています。

ビジネス上の慣習や業界の常識などのさまざまな「境界線」の概念が、テクノロジーの発展によってあいまいになってきました。そうなることで、今までつなぎあえなかった経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)が、モノと情報、ヒトとカネ、ヒトとモノなどというN対Nのレベルで直接つながり始め、それぞれの企業が持つ異なる価値が組み合わさり、バリューチェーンが書き換わり始めている。そんな中、ブロックチェーンは、これまで企業で担保していたデータやアセットの信頼性を、個の企業によらずに、コンソーシアムネットワーク全体に属するデバイス単位などでも担保できるため、新しい価値を作り上げる基盤になります。

サービスについて

 
どういった経緯でZBB CORE APIを開発しようと考えたのでしょうか?
  

当初、自分たちでイーサリアムのセカンドレイヤーを作った際に、チェーンが分岐した際のGAS管理ノードの対応など、開発において難しい場面が多くあることを実感しました。当初のイーサリアムそのままでは日本のエンジニアが使うのは難しいと思い、簡単にサービス開発ができる仕組みを作りました。

またコンソーシアムにおける、スマートコントラクトという重要さを考えた場合、ZBB CORE APIのようなサービスは価値が高いと感じました。

例えば、複数社で新規事業をしようとしたときに、どのデータをどの粒度でどういったトリガーで動かすか、といった合意ルールをSaaSで提供できれば、ビジネス価値の作りこみに集中することができます。

 
ZBB CORE APIの最大の強みはなんでしょうか?
  

データ管理に強みがあります。

ブロックチェーンはハッシュ化して改ざんできないようにする技術ですが、一方で書き込んだデータは消せないという側面もあります。実は、ビジネスサービスを展開する上で取り扱う個人情報は、データが消せないとGDPR(一般データ保護規則)に引っかかってしまうんですね。

我々は、高いセキュリティでパーソナルデータの保管・管理をする「PDS(パーソナルデータストア)」を提供するトッパン・フォームズ社と業務提携を行っています。複数企業間でシェアするインデックスとなるような項番情報はブロックチェーンに置き、その他個人情報などのセンシティビティの高いデータは、高いセキュリティ環境に置く、といった使い分けを提供できるのが強みです。

<参考>
トッパンフォームズとZEROBILLBANK JAPANがデータ流通分野で協業

スマートコントラクトについて

  
スマートコントラクトと通常のプログラミングの違いは、どこにあると思いますか?
 

一言でいえば「監査レスの環境が作れる」ところに違いがあると思います。

今までのシステムは改ざんできる可能性が存在するため、監査という機能が必要でした。スマートコントラクトは、監査の機能がもともと含まれているので、極論すると改めて監査をし直す必要がありません。

例えば、初めて会う人に名刺をもらったとして、名刺の中身に書いてある情報が本当に正しいかどうかは、名刺を受けとる側の人にとっては、分かりませんよね。もしかしたら前の会社の名刺を渡しているかもしれませんし、肩書に嘘があるかもしれません。

これを、名前は戸籍謄本から、会社名は登記簿から、emailはドメインサービスから取得してくるというスマートコントラクトで実装しておけば、もらった瞬間に目の前にいる人が誰なのか分かり、名刺が不正に作られたものでない事も確認できます。これが監査レス環境の一番簡単なユースケースかなと考えております。
 

クラウドやBaaSについて

 
貴社は、Microsoft BizSpark を創業時に活用し、その時から一貫して Azure を使い続けており、その理由として「他のクラウドに比べて機能の粒度が適切で、エンタープライズ向けシステムを構築しやすい」とおっしゃっていましたが、そのほかにも使っていた良いな、と思った点があれば教えてください。
 

マイクロソフトのスタートアップに対するカルチャー、泥臭さがあるところが気に入っています。スタートアップを支援したい、という姿勢がテクノロジーだけでなく営業やチームとして好きですね。AWSもGCPもいいところはもちろんありますし、合わせて使いたいと考えています。

<参考>
PDS とブロックチェーンを組み合わせた基盤を ZEROBILLBANK JAPAN との協業で構築、スマート コントラクトの実現で企業間連携の加速を目指す
  

※上記に関連して、マイクロソフト×スタートアップのイベントが12/5に開催予定です。詳細は下記から。

  

 
現在、AzureやAWSなどの大手クラウドベンダーが提供するBaaSや、御社のZBB COREやKaleidoなどのブロックチェーン開発をサポートするサービスがある中、企業がブロックチェーンで事業を作ろうと思った場合、どういった点に注目して、開発をサポートしてくれるプラットフォーム(サービス)を選ぶのが良いと思いますか?
 
エンタープライズなら、バックアップ機能などのマネージドサービスの運用のしやすさで選ぶべきでしょう。BaaSの多くはフルマネージド型なので問題ないといわれていますが、まだ起こっていないような不測の事態に対してのポジションの違いは各社異なるので、そこは見ておくといいと思います。

 

※インタビューは後編に続きます。

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