DeFiとは何か?分散型金融の基本を紹介

DeFiとは何か?分散型金融の基本を紹介

はじめに

資金を貸し借りし合う金融の仕組みは、15世紀にイタリアで世界最古の銀行が誕生して以降、欧州を起点に本格的に世界中へ広がったと言われています。金融システムは現在、あらゆる業種を支える基盤として発展しました。

ブロックチェーン登場以前から存在する従来型の金融システムは銀行などの中央集権的な組織が管理しています。現在、パブリックチェーンの登場によって、「DeFi(Decentralized Finance:分散型金融)」という新たな形態の金融システムを発展しつつあります。

そこで本記事では、オープンかつ非中央集権的な金融システムであるDeFiの基本について紹介していきます。

DeFiは「ディファイ」と発音します。

【概要紹介】DeFi(分散型金融)とは何か?

DeFiとは「Decentralized Finance」の略で、スマートコントラクトを活用して構築された金融サービス(あるいはエコシステム)の総称です。多くのDeFiサービスがEthereum上で開発されており、中央集権的な管理者が存在しない分散型金融サービスの実現が目指されています。従来の金融商品とは異なり、インターネットにアクセスできれば基本的には誰でも自由に参加できるのが特徴です。

DeFIは「分散型金融」と表現されることが多いですが、分散の程度はサービスによって差があります。2020年10月現在、DeFiの厳密な定義はありませんが、どのサービスにも共通している点はユーザー自身が所有する秘密鍵によって金融アセットを管理できるという点です(資産を第三者に預託する必要が無い)。

DeFiの具体例としては、中央集権的な機関を介さない形でのトークンの交換ができる分散型取引所(DEX)やレンディングサービス、デリバティブなどがあります。

これらのサービスは、スマートコントラクトによって実現されており、ユーザーはコントラクトに対してトークンを預け入れる(ロックする)行為を通じて、サービスを利用することが可能です。例えば、コントラクトに自身のEtherやERC20トークンを預け入れることで、預託額の何割かの金額まで他のERC20トークンを借りられる(もしくはトークンの貸し出しによって利息を稼ぐ)サービスなどがあります。

なお、DeFiには法定通貨と1対1で連動するステーブルコインがよく利用されています(Daiなど)。

市場規模が急成長するDeFi(分散型金融)市場

2020年6月以降、DeFi市場でロックされているトークンの総額が急激に増加しています。こうした急激な拡大について、現在のDeFi市場がバブルであると評価する声もあるくらいです。以下のグラフは2019年10月〜2020年10月の期間中、DeFi系アプリにロックされた資産総額の推移を表しています。

https://defipulse.com/

右肩上がりの成長の背景としては、レンディングプロトコルである「Compound」へのロック金額の増加が挙げられます。この辺りの背景については、以下の記事で紹介していますので、興味のある方はご覧ください。

DeFi(分散型金融)の特徴的な点とは?

続いて、DeFiの特徴的なポイントについて説明していきます。

検証可能であり透明性が高い

DeFiの重要な点は、技術さえあればコードを検証できるという点です。また、取引の正当性(二重支払いが行われていない、など)は、DeFiの基盤となるパブリックチェーンが担保してくれています(多くの場合はEthereum)。したがって、不正が検知されやすく、オープンな金融システムである点が特徴的です。

個人ユーザーが検証可能である点は、伝統的な金融サービスでは実現しづらい点だと言えるでしょう。さらにパブリックチェーン上で取引が行われているため、取引履歴は誰でも閲覧・検証であり、取引の追跡可能性が高くなっています。

ただし、予期せぬバグに遭遇するリスクや法規制が追いつかず投資家保護を期待しづらい側面は否定できません。

資産の自己管理が可能

DeFiでは、伝統的な金融機関や企業が運営する暗号資産取引所に資産管理を委ねることなく、ユーザーによる資産の自己管理が可能です。自身が所有するアセットに対応する秘密鍵を適切に管理するリテラシーは必要になりますが、企業の倒産によって資産が一時的に動かせなくなったり、取り戻せなくなったりするリスクを回避できます。

オープンであり誰でも利用可能

従来の金融サービスは銀行や証券会社などに開設された口座の利用が前提となっていました。一方のDeFiでは、口座を持たない人であっても金融サービスにアクセスすることができます。基本的にはインターネット環境とネットにアクセスできる端末(スマホやパソコンなど)があれば問題ありません。

したがって、DeFiは特に銀行口座の保有率が低い国や地域での金融包摂を実現する可能性を秘めています。

DeFiのリスクや留意点について

次のセクションで代表的なDeFiアプリを紹介しますが、コントラクトへのデポジット額が大きいプロダクトや比較的長い期間開発が続いているプロジェクトである点、SNSで評判の良いプロジェクトであることがそのプロダクト(プロジェクト)の安全性に直結するとは限りません。

DeFiサービスの利用には一定のリテラシーが必要であり、資産の消失リスクや詐欺に引っかかるリスクが常にある点に注意しなければならないのです。ブロックチェーンで構築されているからといって取引の全てが安全だという保証はなく、スマートコントラクトコードのエラーやバグ、トランザクションのフロントランニングなどのリスクは付いて回ります。

また、DeFiに対する規制が明確になっていない点にも注意が必要です。DeFi市場には急激に資金が流入していますが、セキュリティやシステムの設計、法体系などあらゆる面で試行錯誤が行われている段階だと言えます。

その他、DeFiサービスを利用して利益が生じた場合には確定申告が必要である点にも留意しなければなりません。一般的な暗号資産取引と同様にトークンの売却益は、雑所得に分類されるため、確定申告が必須となります。

代表的なDeFiを紹介

最後に代表的なDeFiプロトコルについて紹介します。

Uniswap

「Uniswap」はEther(ETH)やERC20トークンを交換するためのプロトコルです。Uniswapは2020年10月現在、もっとも多額のトークンがロックされているDeFiアプリケーションであり、2020年9月には24時間あたりの取引高で米大手暗号資産取引所「Coinbase Pro」を超えるなど、DeFi市場を牽引しています。

UniswapではユーザーがEtherやERC20トークンのペアをコントラクトに対してロックします。これはネットワークに対して流動性を提供する行為であり、実際に取引が行われると流動性の提供者には報酬が支払われる仕組みになっています。

また、Uniswapは分散型取引を目的としたオープンソースのプロトコルであるため、誰でもDEX機能を提供・開発できるといった強みも有しています。

Uniswapについては以下の記事でも紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

Maker

「Maker(Makerプロトコル)」はEthereum上で構築されたプロトコルであり、EtherやERC20トークンをロックすることで、ステーブルコインを生成することができます。Makerプロトコルは、ステーブルコイン「Dai」やVault、オラクル、コミュニティによる投票によって構成されています。

Vault:複数のスマートコントラクトによって構成される金庫のようなもの。ユーザーがEtherなどのトークンをVaultにロックすると、米ドルと価格が1USD≒1Daiで連動するように設計されたステーブルコインのDaiが発行される。

Vaultに預けられる担保資産としては、Etherと10種類のERC20トークンとなっており、Daiは複数担保型のステーブルコインとなっています(2020年10月15日現在)。

暗号資産の市場全体で見ると発行額ではTether(USDT)が圧倒的です。しかし、企業が発行しているUSDTとは異なり、Daiはスマートコントラクトによって発行されるため、担保資産の総額などが検証できます。

USDTはDaiと同様に、価格が1米ドルと連動するステーブルコイン。2020年10月15日現在、USDTの時価総額や約1.66兆円であるのに対し、Daiの時価総額は約1,000億円。

なお、Makerおよびその開発・運営プロジェクトである「MakerDAO」については、以下の記事で詳しく紹介しています。

▼詳細はこちら
Makerとは?(近日公開予定)

まとめ

本記事ではDeFiの基本について紹介しました。金融機関の存在を前提としない新たな金融サービスは国内外で注目を集めています。

ただ、現状のDeFiはパブリックチェーン(主にEthereum)のみで完結しており、現実世界のアセット(例えば証券や不動産など)との連携が基本的にはありません。

ただ、今後はオフチェーンのアセットとの連携が強化されていく可能性はあり、すでに現実世界の資産(自動車など)を担保に、Etherを借りるプラットフォームも登場しています(例:
DeFi Money Market)。

当メディアでも今後、DeFiについては情報の拡充やアップデートを行っていく予定です。

参考資料:
ざっくりわかる金融市場の歴史 〜イタリア商人から大航海時代まで〜(前編)
成長著しいDeFi市場にバブルの兆し、その根拠とは?【5分でわかるブロックチェーン講座】
DeFi – The Decentralized Finance Leaderboard at DeFi Pulse
What Is DeFi?
Decentralized Finance (DeFi)
Maker – ホワイトペーパー
DMM Ecosystem


記事:小村海
編集:原伶磨

製造業におけるブロックチェーン活用方法とは?

CTA-IMAGE 【ホワイトペーパー】製造業における業務変革をテーマに、業界の課題に対してブロックチェーンを活用する方法を紹介します。

ブロックチェーンカテゴリの最新記事