医薬品サプライチェーンへのブロックチェーンの適用
今回、ブロックチェーンをサプライチェーンへ適用した事例として、医薬品の真正性の証明に用いた事例を紹介します。
現状の課題
医薬品の流通に関しては、偽造品の流通が大きな課題の一つとなっていました。
偽造品の流通は、患者や顧客に被害をもたらすだけでなく、ブランドの評判や収益にも悪影響をもたらします。また、犯罪としての産業規模は、2000億ドルとも言われています。
ブロックチェーンの活用方法
今回の事例では、ブロックチェーンを用いたサプライチェーンマネジメントとQRコードによる物体トラッキングを組み合わせることで、従来よりも容易に改ざんを検知するトラッキングシステムを実現しました。
具体的には、医薬品が製薬会社を出発し、運送業者による配送や倉庫管理といった一連の出荷工程において、IoTデバイスがQRコードをスキャンし、一意のシリアル番号を記録することで、ブロックチェーン上で情報管理をします。
この際、配送条件などについて、事前に決められた規定が遵守されているかをスマートコントラクトにより自動的に検証しています。
適用効果
今回のシステムを用いた結果、以下のような適用効果が確認できました。
- 各管理者がリアルタイムに製品の登録と検証をできるようになった
- 従来よりも堅牢な真正品の証明が可能になった
このように、サプライ・チェーン・マネジメントにブロックチェーンを活用することで、様々な従来課題を克服できることが期待できます。