【イベントレポート】Microsoftがブロックチェーンに本気らしいけど実際のところ何してるの?

【イベントレポート】Microsoftがブロックチェーンに本気らしいけど実際のところ何してるの?

2019年9月27日にブロックチェーンのコワーキングスペースNeutrinoで実施されたMicrosoftの主催するイベントに参加してきました。

Microsoftがブロックチェーンに本気らしいけど実際のところ何してるの? との副題の通り、”デプロイ王子”の愛称で知られた廣瀬さんから、ブロックチェーン領域でのマイクロソフトの取り組みが国内外、網羅的に紹介されたイベントでした。

よく知るプロジェクトも実はマイクロソフトが絡んでいたりと、あたらめてブロックチェーンへの本気度がうかがえました。

◆ マイクロソフトのブロックチェーン取り組みについて

マイクロソフトとしては、2015年からブロックチェーンの取り組みを開始し、今では400社ほどの実績があるそうです。本イベントでは、その中から10ほどの事例を紹介されました。
国内では4年前にみずほ銀行、ISID、カレンシーポート、マイクロソフトでコンソーシアムを実施したのがスタートで、メンバーに廣瀬さんもいらっしゃったそうです。

◆ 業務適用の4つのユースケース

マイクロソフトの多数の事例をまとめると、
ブロックチェーンのユースケースは4パターンのモデルに集約されるそうです。

1.ビジネスプロセスが信頼できる境界域を超える場合
2.複数の関係者が同一データを処理する場合
3.信頼できる1つの情報源を中継しコントロールする場合
4.低価値の手作業のデータ検証手順を伴う場合

1つめは、トレーサビリティの関わる業務で、ブロックチェーンでも事例が豊富に出ている業務です。
例えば牛乳を生産する畜産農家、精製する工場、輸送する会社と複数社が1つの商品にかかわるときの情報共有に活用します。

2つめは、同一データを承認する作業などがあたります。会社でたらいまわしにするようなケース(ハンコを押して回るような業務)を想像するといいでしょう。

3つめは、証券取引の板情報を複数の取引所で共有するケースなどが当たります。ほかにも複数社で同一のデータベースを参照しているような業務もこれに当たるでしょう。

4つめは、情報の転記などが発生している場合が当てはまります。例えば手続きが紙で、その後の手続きをパンチして進め、最後に紙として印刷して送付するなどのケースです。これらのケースの場合、ペーパレスの取り組みと同時に行っていくのが良いでしょう。

◆ 事例

本サイトでもAzureを利用した事例についていくつかご紹介していますが、様々なシーンでの活用が行われています。製造、小売り、保険、金融、行政、ヘルスケアなど様々な用途があり、多くの企業がPoCないしサービスの具体な運用を行っています。当日はほかにも事例が紹介されましたが、こちらでは一部を紹介します。

▼スターバックス

コーヒー豆のトレーサビリティにブロックチェーンを活用し、フェアトレードを実現しています。

スターバックスによるコーヒー豆のトレーサビリティ

LVMH

ルイヴィトンなどで知られたLVMHは、ブランドの真贋判定にブロックチェーンを活用しています。AURAと呼ばれるプラットフォームは、 Quorumベースで開発されているそうです。

ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー(LVMH)の高級ブランド真正品証明

▼Xbox

Xboxのboxプラットフォームでゲームなどを販売している事業者への報酬の計算に、Microsoft Azureのブロックチェーン技術を使用しているそうです。

MicrosoftがXboxプラットフォームにブロックチェーン技術を活用

GE

重工業で知られたGEでは、ジェット機のエンジンパーツのトレーサビリティ管理にブロックチェーンを活用しています。

製造業×ブロックチェーン~GEのブロックチェーン活用~

▼Webjet

オンライン旅行会社のwebjetではブロックチェーンを使って、ホテルの予約などに必要な情報を共有しています。飛行機の運航情報やレンタカーの貸し出し履歴などがリアルタイムにホテルに共有されることで、スムーズなチェックインができるようです。

オーストラリアのオンライン旅行会社Webjetはマイクロソフトとパートナーを組みブロックチェーンブッキングサービスを提供する

▼シンガポールエアライン

シンガポールエアラインは ブロッ クチェーンを用いて、クリ スフライヤーのマイル用のデジタルウォレットを顧客に提供し、マイルの利便性を向上しました。

シンガポール航空、ブロックチェーン基盤のロイヤリティウォレットを発表、マイクロソフト らが開発

▼ルノー

ルノーは、自動車のメンテナンスの履歴をブロックチェーンで保管しています。これにより、修理やメンテナンス、中古車販売に至るまで信頼できる情報源を提供でき、車の資産価値向上に寄与しています。


  

◆ 国内スタートアップとの連携

国内さまざまなスタートアップとの事例が報告されました。
詳しくはこちらの記事でも取り上げていますのでご参照ください。

マイクロソフトと連携したブロックチェーン スタートアップ企業まとめ

◆ まとめ

今回紹介された事例は時間の関係上、まだまだ一部分でした。
グローバルにみると、業界・業種ごとに様々な事例があることがわかります。

AzureをはじめとしたBaaSを活用することで、ブロックチェーンの実装ハードルが下がってきていますし、今後効果が見えるようになってくると、普及が加速すると考えられます。

本講演ではAzureを活用するメリットなども紹介されていましたので、合わせてこちらの記事をお読みいただけるとよいと思います。

BaaS(Blockchain as a Service)でAzureをオススメする理由

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