BaaSを比較したい人向け~Azure vs AWS vs IBM (2019/12更新)

BaaSを比較したい人向け~Azure vs AWS vs IBM (2019/12更新)

事前知識:そもそもBaaSってなに?

本サイトのメインテーマであるBaaS(バース)について、事前にある程度理解したい方は、下記の記事を参考にしてください。

BaaS(バース / Blockchain as a Service)
BaaSの定義は、使う側によってさまざまですが、本サイトではブロックチェーン(アプリ)開発を容易にするためのクラウドで提供されるサービス をBaaSと呼んでいます。

結論

AWS,Azure,IBMを比較して何を選べばいいのか、結論から書かせて頂きます。 これらは、あくまで私的見解になりますのでご了承ください。また、細かいユースケースによっても選ぶ基準は変化します。自社のプロジェクトに対し、どのBaaSを選べばよいのか、弊社でも相談を受け付けていますので、お気軽にお問合せください。

▼お問い合わせ
https://consulting.digglue.com/

AWSを選ぶ場合

最小構成の単価やパフォーマンスでしたらAWSが良いでしょう。なので下記のような場合はAWSがオススメです。

  • 小規模なプロジェクト
  • 個人で色々試してみたい方
  • AWSに慣れている方

Azureを選ぶ場合

中規模の構成以上になると、パフォーマンスに対してコスパが良いのがAzureです。また、一部機能についても先行している印象があります。ですので、下記のような場合はAzureをオススメします。

  • ある程度以上スケールしてパフォーマンスを出したい方
  • サービスを見据えたプロジェクトを行いたい方
  • Quorumを使ってみたい方
  • Azureに慣れている方

IBMを選ぶ場合

Hyperledger FabricはIBMが主導しているプロジェクトです。IBM Blockchain PlatformはHyperledger Fabricに特化して対応しています。ですので、下記の場合はIBMをオススメします。

  • Hyperledger Fabricを使いたい方
  • IBMのコンサルティングを受けたい方
  • Food TrustのようにIBMが絡んでいるコンソーシアムに興味がある方

提供会社と主なサービス一覧

これからご紹介する世界最大のテックカンパニー達は、それぞれBaaSに特化した部門を持ち、開発と普及に力を入れて頻繁にアップデートを繰り返しています。日が経つにつれ、使いやすい機能がバンバン追加され、ブロックチェーン開発の敷居は低くなっています。

現時点ではMicrosoft、Amazon、IBMがBIG3とも呼べる存在として君臨しており、各社ともマネージドサービスを提供しています。もちろんBIG3以外でも提供している会社は数多くあります。

本記事では、このBaaSを提供している会社がどこで、どんなサービスがあるのかまとめてみました。 今後ブロックチェーンでサービス展開を考えている方がいれば、是非とも参考にしてください。

BaaS を提供する最大手 3社 BIG 3

会社主なサービス
MicrosoftAzure Blockchain Service
Azure Blockchain Workbench
AmazonAmazon Managed Blockchain
AWS Blockchain Template
IBMIBM Blockchain Platform

その他のBaaS提供の会社

会社URL
Oraclehttps://www.oracle.com/jp/cloud/blockchain/
Google(参考)https://www.blog.google/products/google-cloud/building-a-better-cloud-with-our-partners-at-next-18/
HPEhttps://www.hpe.com/jp/ja/solutions/blockchain.html
SAPhttps://www.sap.com/japan/products/leonardo/blockchain.html
Alibaba https://jp.alibabacloud.com/product/baas
Baidu (百度) https://cloud.baidu.com/product/bbe.html
Huawei https://www.huaweicloud.com/product/bcs.html
Stratis https://stratisplatform.com/
Kaleido https://baasinfo.net/?p=2523

Microsoft

Microsoft社は2015年ころからBaaSの開発に乗り出しており、他社と比べて機能の豊富さ、他のモジュールとの連携などでアドバンテージを持っています。
最近では、2019年5月にBuild 2019にてAzure Blockchain Serviceが発表されました。Visual StudioなどにもAzure Blockchain Development Kitなどの拡張機能を提供しており、Azureでの開発環境はかなり整っていると言えるでしょう。
これらを含めたMicrosoftのブロックチェーンの取り組みは、下記の記事でご紹介しています。

▼詳細はこちら
マイクロソフトのブロックチェーン取り組み徹底解説

Azure Blockchain Service

最近発表されたAzure Blockchain Serviceは、今Microsoftのブロックチェーンプロジェクトの中でも最も力を入れているプロジェクトの一つです。

フルマネージドであるAzure Blockchain Serviceは、既存のEthereumと同じように開発できるよう、 Quorum (Ethereum) 台帳がサポートされています。
また、 Visual Studio Codeの拡張機能 (Azure Blockchain Development Kit for Ethereum) を使えば、VS Code上でデプロイやデバックを行うこともできます。

特徴

  • 現時点でサポートしている台帳: Quorum (Ethereum)
  • フルマネージド
  • Visual Studio Codeでデプロイやデバックが可能
  • コンソーシアム管理機能
  • Truffleなどの 使い慣れたツールが利用可能

公式リンク

HPhttps://azure.microsoft.com/ja-jp/services/blockchain-service/
docshttps://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/blockchain/service/
bloghttps://azure.microsoft.com/ja-jp/blog/digitizing-trust-azure-blockchain-service-simplifies-blockchain-development/
価格https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/blockchain-service/

参考スライド

▼de:code 2019セッションでのAzure Blockchain Serviceに関するスライド

de:code 2019 CD09 【Build 2019 発表】Blockchain as a Service 最新情報と新サービスにおけるブロックチェーン アプリ開発手法 from Kazumi Hirose

参考記事
de:code 2019 セッションレポート➁ – 【Build 2019 発表】Blockchain as a Service 最新情報と新サービスにおけるブロックチェーン アプリ開発手法

Azure Blockchain Workbench

Azure Blockchain Serviceの登場以前では、Ethereum on Azureと並んでAzure Blockchain Workbenchが主力の一つとなっていました。詳細に関しては、下記のリンクにて解説していますので、参考にしてください。

参考記事
Microsoftのブロックチェーンクラウドサービス「Azure Blockchain Workbench」と利用例

初心者のための Azure Blockchain Workbench 初期導入方法を丁寧に解説!

特徴

  • サポートしている台帳:Etherum PoA、Hyperledger Fabric
  • Azure Active Directoryの利用
  • Key Vaultで秘密鍵の管理
  • Swagger準拠のREST APIが作成されるので、好みの言語やフレームワークが利用可能
  • オンチェーンとオフチェーン(SQL)との同期

公式リンク

HPhttps://azure.microsoft.com/ja-jp/features/blockchain-workbench/
docshttps://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/blockchain/workbench/

Azure Blockchain Development Kit

Visual Studio 上で、デプロイやデバッグなどができる拡張ツール「Azure Blockchain Development Kit for Ethereum」などが開発にはめちゃくちゃ便利です。

公式リンク

GitHub https://github.com/Azure-Samples/blockchain-devkit
blog https://azure.microsoft.com/ja-jp/blog/introducing-the-azure-blockchain-development-kit/
wiki https://github.com/Microsoft/vscode-azure-blockchain-ethereum/wiki

参考動画:Block Talk

Microsoft Azure Marketplace

上記に挙げたもの以外にも、マーケットプレイスにてパートナー企業が開発する様々なサービスが利用できます。Ethereum(Quorum)やHyperledger Fabricではなく、Wavesを使って開発したい、もしくはLightning Networkを使いたい、という方がいれば、以下で検索してみるといいでしょう。

▼Azure Market Place
https://azuremarketplace.microsoft.com/ja-jp/

Azure Blockchain Service アップデート情報

MicrosoftのBaaSはかなり頻繁にアップデートされており、執筆当初(2019/7)以降、いくつかのアップデートがありました。そのうち、本サイトで紹介した記事のリンクを下記に貼っておきます。もしよろしければご参照ください。

IBM

IBM Blockchain Platform

IBMはHyperledger Fabricを主導する企業として企業が利用するためのコンソーシアムに注力しています。その中でもHyperleger Fabricのコンソーシアム形成に対して簡単に構築を行えるBaaSを提供しています

特徴

  • サポートしている台帳:Hyperledger Fabric (v1.4.1)
  • IBM Cloud環境だけでなく、オンプレミスや、AWSなどのサードパーティ環境にもデプロイ可能
  • Node.js、Golang、Javaで作成されたスマート・コントラクトをサポート
  • Visual Studio Code の拡張機能(IBM Blockchain Platform Extension for VS Code)
  • Kubernetes を利用
  • Hyperledger Composerを統合
  • フルマネージド

公式リンク

HPhttps://www.ibm.com/jp-ja/cloud/blockchain-platform
docshttps://cloud.ibm.com/docs/services/blockchain?topic=blockchain-get-started-ibp
価格https://cloud.ibm.com/docs/services/blockchain?topic=blockchain-ibp-saas-pricing&locale=ja
チュートリアルhttps://www.ibm.com/developerworks/jp/cloud/library/cl-deploy-sample-application-ibm-blockchain-platform/index.html

IBM Food Trust

ウォルマートやネスレをはじめ、世界の大手企業と一緒に食品トレーサビリティ用のブロックチェーンIBM Food Trustの提供も行っています。

特徴

  • 食品トレーサビリティに特化
  • 農場から店舗までの見通し、複数原料の表示、各段階での必須の詳細などの追跡機能や鮮度や産地の管理
  • 規模に応じた個別のプラン

公式リンク

HPhttps://www.ibm.com/jp-ja/blockchain/solutions/food-trust
詳細資料PDF https://www.ibm.com/downloads/cas/KJ9V69P7
価格https://www.ibm.com/jp-ja/marketplace/food-trust/purchase#product-header-top

TradeLens

海運大手マースクらと共同で行っているTrade Lensという貿易にブロックチェーンを転用したサービスがあります。これらについても既に実運用に乗っている事例で、下記にて詳しくご紹介しています。

Amazon

AWSに力を入れているAmazonですが、近年ブロックチェーンも力を入れています。Microsoftよりも後発ではありますが、すでにAWSを導入している企業には既存のサービスとの兼ね合いでこちらを利用するケースも多いそうです。

Amazon Managed Blockchain

最近発表されたフルマネージドのAmazon Managed Blockchain。現在はHyperledger Fabricに対応しており、近日中にEthereumにも対応するそうです。

特徴

  • 対応している台帳:Hyperledger Fabric(1.2 or 1.4.1)、Ethereum(予定)
  • フルマネージド
  • AWS Key Management Service  を利用
  • Amazon Quantum Ledger Database(QLDB)に一部データを保存することで分析などが可能
  • AWSなので、日本人による解説や体験記事が比較的簡単に見つかる

公式リンク

HP https://aws.amazon.com/jp/managed-blockchain/
docs (英語) https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/managed-blockchain/
価格 https://aws.amazon.com/jp/managed-blockchain/pricing/

参考スライド

Deep dive on Amazon Managed Blockchain from Amazon Web Services

参考動画

以下はAmazon Managed Blockchain を使用してアプリケーションを構築するための参考動画です。

AWS Blockchain Templates

Amazon Managed Blockchainが登場する以前は、こちらがAWSブロックチェーンの主力でした。

特徴

  • 対応している台帳: Hyperledger Fabric、Ethereum
  • 米国のリージョンのみ
  • Docker コンテナを使用
  • Hyperledger Fabricの場合は、 PostgreSQL を利用

公式リンク

HP https://aws.amazon.com/jp/blockchain/templates/
docs https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/blockchain-templates/latest/developerguide/what-are-blockchain-templates.html

AWS Marketplace

AWSの場合も、Azureと同様マーケットプレイスがあります。下記のリンクから、「blockchain」というワードで検索すると表示されますので、参考にしてください。

▼AWS Marketplace
https://aws.amazon.com/marketplace

その他(Alibaba, Tencent, Kaleido)

上記の3社以外についても、本サイトでいくつかご紹介しているBaaSがあります。もしよろしければ、下記をご参照ください。

▼詳細はこちら

最後に

ブロックチェーンの波は何年後になるかはわかりませんが、必ず来ると言われています。その波に備えて、今から色々と知識や準備をしておくことは将来の役に立つでしょう。
その中で、ブロックチェーンベースのアプリケーションやサービスを作ろうした場合、BaaSの利用は大きな助けとなるはずです。今後もアップデートを繰り返し、使い勝手がよくなっていくでしょう。

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